こんにちは!
今日は来年2019年1月1日から中国で施行される新しい法律について、整理してみたいと思います。
中国からの買い物客が多い店舗にとっては、影響があると思われます。街の声を聞いていくと他の政策と混乱して理解されてる方も多かったので、(中国人の方の中でも間違った情報が回っていました)噛み砕いてご紹介しますね!
2019年1月1日から変わること
2019年1月1日より・・・
①2018年12月末までを期限としていた【越境EC輸入販売政策(跨境电商进口政策)】が更に改良された内容で再び延長。
②【電子商務法】という新しい法律が施行されます。
インターネット販売・取引に関係する①既存の政策の延長・変更と ②新しい法律が、同じ2019年1月1日より実施されるため、混同されています。2つは全く異なるものです。
①跨境电商进口政策とは
越境EC政策と言い換えて説明しますね!
こちらは2016年4月8日により施行されている越境ECの健全な成長・市場開拓を促進するための政策です。中国政府が発表しているポジティブリスト(越境ECを許可している商品リスト)に該当する商品に対して、商品にかかる税率が優遇されます。
細かく説明すると難しいので、簡単にいうと、越境ECに関わる企業が外国から仕入れる際に、一般貿易の時よりも安い税率で商品を仕入れることができるということです。初めは2016年までだったこの政策が、2017年まで延長になり、更に2018年年末まで延長されていたのが、この度、再々延長となった運びです。
詳しい内容についてはBusiness Chinaさんが詳しくご紹介されています。
より深く理解されたい方は、時系列で今までどのように変わってきたかも確認できます。→→
旅行者がお土産として持ち込める日用品の金額は引き上げ
今までは一人2000元(3万2千円ほど)まで。年間2万元(32万円ほど)だったところが増額しています。
➡︎2019年より一人5000元(8万2千円ほど)・50点まで。年間2万6千元(42万円ほど)
一部ネットニュースやバイヤー間で8000元迄いう声も出ていますが、公式な発表ではありません。実際にバイヤーの方が8000元をベースに持ち込みをして税関通れている事実はあるので、目安にされているようですが、あくまでも公式発表は5000元までとなっています。
お土産として持ち帰れる個人の商品金額は上記の通りです。それ以上の持ち帰りは一般貿易となされ税金が発生します。(隠していると罰金ですね)
②【电子商务法】とは
電商法と言い換えて説明しますね。
上記の①越境EC政策は、お土産として持ち帰る税金のかからない範囲をクリアにし、越境ECを目的とした仕入れに対して、優遇した税率で市場促進するのが狙いでした。
そして今回新たに始まる電商法は、今まで個人で商品を仕入れて、中国国内で販売、営利活動をしているにも関わらず、税金を払っていない方々に対してのルール付けです。また、国内配送のルールなど消費者を守る内容も示されています。つまり、健全なインターネット販売・取引の環境を整えるために制定された【法律】です。
ざっくりと紹介すると・・・
- 登録をした人のみ、オンライン販売が可能。→登録証のない人が大量の商品を持ち帰ると、違法とみなされる。→税関が以前よりも厳しくなります。(但し、一部手作り販売、農作物販売などは別扱い。)
- 中国で言うところのメルカリのようなサイトに当たる【淘宝】などインターネット上のプラットフォームで販売出来るのが、審査を経た人しか販売ができなくなる。今までのように誰でも自由に商品が売れなくなる。
- EMS配送の際、今までよりもひっかかる確率が高くなります。営業目的の荷物は特にチェックが厳しいため、さらに容易ではなくなります。
その他、中国国内の配送のルールやインターネット上で販売できるものの規定など、正式なルートで消費者が安心してお買い物ができるための様々な内容となります。
正常なモノの流れが始まります。
つまり、法人としてお商売をしている方にとっては、①の延期により、税金が安く仕入れできる環境が長引いたので良いことですが、個人単位で持ち帰りをしていた個人バイヤーに対しては、②が施行されることにより、厳しくなります。
今まで物販店では恩恵を受けていた、中国の代购(バイヤー)による爆買いの流れは、今回の新しい法律(②電商法)をきっかけに少し変わって行きそうです。誰でも気軽にバイヤーとして中国国内に持ち込みしにくい環境になります。中国サイドの税関の取り締まりはこの秋より厳しくなってきています。
ただし、悲観するのではなく、今までが無法地帯だっただけで、遅かれ早かれ整備されていくべき状況であったのは間違い無いのです。
中国で日本の商品が人気なのは変わりありません。
インターネット上で日本の商品を販売したいと思っている方が、正式な登録を経て、消費者が安心できる流通形態で商品を提供するという流れがこれから中国で強化されて行きます。
今回、みなさんにお伝えしたいのは、日本商品爆買いブームが去るのではなく、日本〜中国間のモノの流れが今までの異常から正常へ移行していく可能性があるということです。
価値あるモノを、しっかり伝えるということ。それによって、将来さらに日本のモノを買いたいと思って来日する方が増えていくイメージを持っていければと思い長々書きました。
長くなりましたね。今日はこの辺で。