観光を考える(2)新しい消費を生むためには?

今だからこそ、これからの【観光】を考える時間に。

 

前の記事で挙げたキーワード【新しい消費】

 

外国人に限らず、日本人に対しても「新しいなにかが流行る」「新しい消費が生まれる」時に共通点があるんです。

 

消費者にとって、それは「珍しい」かどうか。

 

以前、「インバウンド向けのコト消費を考えて見る」(以下の図は記事より引用)の記事の中で、モノが売れる流れについてご紹介しました。

「珍しい」ものを人が求め、「売れる」ようになり、同じサービスが増え「飽和状態」になり、「価格競争」へと移り変わっていく。飽和状態の中でも、「価格だけでない価値を見出せるところだけが定着していく」。

 

これは、外国人に限らず、日本人に対しても当てはまります。

 

ただ、海外から日本へ来る観光客は、自国とは異なる日本での全てが特別な体験です。日本で暮らす私たちにとって当たり前だったことまでが、外国人観光客からすると「珍しいもの」。私たちが目に留めていなかった「日本らしさ」が価値を持つことで、「新しい消費」を生むようになりました。

新しい消費 これが今後人口が減っていく日本の中で必要となっていきます。そして、それは現在感染症で海外からの入国を禁止している状況ですが、感染症が落ち着いた後も、必要だということは変わりません。

 

「新しい消費」を生む訪日観光客が増加中。

 

2003年1月に当時の小泉首相が「日本観光立国宣言」をされました。2000年からの10年間の外国人観光客の伸び率と、震災や外交問題などもありましたが、2010年からの10年間の伸び率の差は圧倒的です。特に、ここ5年間は外国人観光客対策を無視できないほどになりました。

 

無視できない理由は・・・・

  1. 日本人の観光客よりも旅先で消費する金額が大きい 
  2. 消費する対象が幅広い(珍しく感じるものが多い)
  3. 日本を未体験の「未来の訪日観光客」がまだまだ控えているという将来の可能性

 

これらは、日本人の日本国内旅行とは性質が異なる為、注視したいところです。

 

「前例のコピー」は、やがて日本人も外国人も離れる?!

消費者は常に新しい「珍しい」を求め

サービスを提供する側は「前例のあるもの」を提供しがちです。

 

既に集客に成功している前例のコピーが、この5年で特に増えています。今は「飽和状態」。日本各地の特色関係なく、外国人向けの同じような打ち出しをする場所が増えました。都市部は特にそう感じるんじゃないでしょうか?

↓ 日本人・外国人観光客の心の声 ↓

 

今から10年前、外国人観光客は選択肢が少ない中で、「外国人に対応している場所」を求めていました。

 

 

選択肢が急増した現在。サービスが飽和しています。外国人観光客はよりリアルな日本体験。つまり「現地に住む日本人の評価がいい場所」を求めています。外国人観光客向けに限った打ち出しは、日本人が離れるだけでなく、「日本人は行かない場所」として、外国人にとっても魅力的とは言えなくなっています。

 

 

どこを見渡しても同じ、外国人観光客向けの対策・集客前例のコピーでは響かない時代に変化しています。

既に飽和しているやり方ではなく、「新しい消費」を生むためには、【その場所の珍しさ】【わざわざ訪れる価値】をもう一度見直すタイミングだと思うのです。

 

 

見直しのポイント!次の記事にて少し整理してみますね。

 

 

記事を書いたのは私:
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外国人観光客研究所のサイトにお越し下さり、ありがとうございます。
このサイトは 大阪初の外国人観光客向け多言語観光MAP「EXPLORER MAP  (旧EXPLORER OSAKA/旧 EXPLORER KYOTO)」の広告販売、及びインバウンドプロモーション、コンサルティングを手がける株式会社エースブリッジが運営しています。
外国人観光客研究所では、私たちが関わってきた店舗さま等の事例から、訪日外国人旅行者の集客方法、おもてなし、ニュース、インバウンドビジネスに関わる様々な情報を発信するだけではなく、普段の私たちの様子など私達らしい視点で、楽しく綴っています。インバウンドのお客さんをもっと身近に・・・日本らしさを楽しみながら、外国の方とも楽しく接していけるお力になれますように・・・。

ABOUTこの記事をかいた人

劉 賞美(Liu Shangmei)

高校卒業後、北京語言文化大学へ語学留学。
2002年より中国の国営貿易商社、中国中紡集団公司(北京市)の日本法人会社にてアパレル生産管理、中国工場管理、貿易事務、社内中国語講師担当。
当時一般客へのVISAが下りにくい中、出張で来日する中国人の通訳と観光のアテンドなども行う。
退社後は、中国語の個人レッスンをベースに2010年より中国語グループレッスン、日中語学交流会を現在も主催・運営しており、パナソニックセンター大阪にて中華圏の企業、行政機関向けのB to B通訳を担当。
また、高島屋百貨店にて訪日外国人を対象とした通訳アテンド業務を経て、株式会社エースブリッジに入社。
日々、外国人観光客を集客している店舗様へ足を運び、また時に外国人観光客や、在日外国人の生の声を聴き「今求められているモノ」を発信すべく、2010年より続いている「外国人観光客研究所」の所長に2017年7月より就任。