「一度も集客のための宣伝はしていない。でも、お客様がお店にいらして下さる。」
先日、インタビューしたお店の店主さまの言葉です。
訪日観光客数が増加の一途となり、2020年4000万人・2030年6000万人の目標を掲げ、【数】を追いかけることに違和感を感じるような意見を、昨年ごろより方々で耳にするようになりました。
【数】をゴールにして、目の前の観光・体験の【質】よりも、未来に対するアプローチ【数】が業界全体で重視され、現場とのギャップがどんどん露呈していた気がしていました。
インバウンド対応を考える上で、私がいつも感覚のチューニングをする場所があります。それが次回、インタビュー企画にてご紹介する包丁専門店『TOWER KNIVES OSAKA(タワーナイブズ大阪)』さんです。
訪日観光客だけでなく、日本人のリピーターが絶えず訪れ、「人が次の人を連れてくる。」という良い循環が生まれ続けている人気店です。
流行は流れて行く。
そう。そのままです。
だから、私は「流行らせたくないです。」
数をピークに持って行くことを目標としたら、その数は麻薬のようなものでピークの数値だけに捉われていきます。次、それを超えたら次、そしてその次・・・・。
ーインタビューの際、TOWER KNIVES OSAKA店主のビヨンさんはこんな事を話されてました。
「6000万人とか数を追いかけるのではなく、ずっと同じくらいの人数をキープするくらいで、日本が好きで堪らないリピーターが何度も訪れる魅力ある日本の方が絶対にいい。」
私はこの言葉、これからの観光を考える上で、大事なことだと感じました。
「未来」に対するアプローチは、知ってもらう為には必要。ただ、一番こだわりたいのは「今」来ている人がまた来たい!と思えるほど満足したかどうか。
「持続可能な・・・」という意識で観光を見たときに、今までのような、とにかく沢山の人に発信することだけに集中するよりも、手間はかかりますが、一人一人のその場所における理解を深めてリピーターを育てる方が、人の力を借りて、長く広く守ることが出来るのではないでしょうか。
「観光」を流行りで終わらせない。長く愛される場所を育てるために・・・
休業要請が解除され、久しぶりにお店をオープンさせた5月18日にインタビューをしました!
そこで出会ったのは、更なる伝える「質」を高める為に、トレーニングを実施しているスタッフ達でした。インタビューでは、どのような想いで、今をむかえているのかをお話いただきました。
では、次の記事にて。
今日は私の独り言でした。
次の記事:包丁専門店・「タワーナイブズ大阪」さんへインタビュー(1)