通訳案内士さんへインタビュー(3)日本の楽しみ方が違う?!

【外国人観光客と関わる方へインタビュー!】企画!通訳案内士の末石靖知さんへお話を伺っています!

前回は、日本に来る時期、旅のスタイル、ガイドを雇う文化の違い、そこからわかる「旅に求めてることの違い」を伺いました。

今回は・・・

  • お食事について
  • 買い物について
  • ガイドをするときに一番気をつけてること
  • 日本の観光の魅力

を聞いてみました!!!興味深かったですよ!

 

欧米圏とアジア圏で違う?!?!『日本の楽しみ方』

日本のお食事、何が響くの?

劉:旅行者は日本に何を期待されてると感じますか?欧米圏とアジア圏での違いはありますか?

末石さん:そうですね、欧米の方は知的好奇心が強いので、日本独特の文化、食事など。現地のローカルな食事はやっぱり人気です。今では日本食レストランも欧米でも増流行ってきてるようですが、まだまだ知られて無いことが多いので、色々なものが新鮮に感じるようです。

 アジア圏の場合は、文化的な知識よりも写真の撮れ高がいい場所が人気です。食事に関しても、すでに自分の国でも日本食が普及しているので、欧米の人よりも慣れています。ただ、日本だと、食材の鮮度や値段が全く違う。つまり、日本の方が安くて、いいものを体験できる!これが魅力のようです。いい意味で「お金にシビア」。既に知っている日本の良いものを自国で買うより「いかに安く手に入れるか」がポイントのようですね!

 だから、神戸牛や刺身、大阪の黒門市場なんかが人気なんです。黒門市場でも安い!っと満足されてます。

 

劉:食事に関する面白い違いとかありますか?

末石さん:そうですねー、例えば回転寿司!!欧米の方のお食事で回転寿司を案内すると、ほぼ100%めちゃくちゃ喜ばれます!(笑)タッチパネルで操作して注文できる事も面白いようで、全部に対して大興奮!(笑)

 これだけ欧米圏の方にウケが良くても、台湾中国の方だと違うんです。自国に回転寿司店が既にあるので、日本でわざわざという感じではないんですよ。アジア圏の方だとやっぱりネタが新鮮で分厚いやつが食べたいようです。いいものを安く食べれたお得感が満足度に繋がってます。

 あとは・・・欧米圏の方は、食事はゆっくり会話を楽しみながら時間を召し上がるのに対して、 アジア圏の方は(特にランチの時)ささっと食べて次の予定へ繰り出すところですかね。「いかにコンパクトに手早く回るか」という傾向がやっぱり見られます。

天橋立でカモメに餌をあげるゲスト。アジアの方は効率よく沢山体験したい方が多いようですよ。

お買い物の違いあれこれ

劉:お土産などのお買い物では違いはありますか??

末石さん:欧米圏の方だと、お買い物では「ザ・ジャパン」といったものを好みますね。日本人形とか。。。家族や、親しい友人用など限られた方にお土産は選ばれますが、職場などに配るためのお土産を買う習慣はあまりないようなので、手当たり次第に買うようなことはないです。自分のための買い物も、じっくりと欲しいものだけを選ぶ感じ。それぞれの国での買い物の仕方がそのまま反映されてる印象がありますね!

 アジア圏の方は、もともと家族のつながりを重視する習慣があるので、配る用のものを探すこともしばしば。「とりあえず、お土産のあるところに連れていって欲しい」とか、言われますよ!日本で流行っているものを買いたいと言うのもアジア圏の、特に若い人たちに見られますね。

 

アテンド時に気をつけることは?

劉:アテンド時に気をつけてることは何ですか?

末石さん:宗教は気をつけています。だいたいお客様から言ってくださいます。また宗教からくる食事制限も。最近増えてきたベジタリアンの方もそうなのですが。一律にルールが同じではなく、それぞれによってボーダーラインが違っているので、なにが食べれるのかを確認してから案内するようにはしています。

劉:欧米だけでなく、アジア圏、特に台湾などでもベジタリアンがすごく増えてますもんね。例えば、お店で事前に注意書きなどあっても親切かもしれません。

末石さん:それぞれの食べれるものの基準が異なっているので、全てに対応するものを店側で準備するのはコストなど考えると大変だと思います。余裕があれば、事前に注意を促すものがあればいいですが。嗜好に合わせたお食事の提案は大変なのです。

劉:なるほど。日本の場合は、宗教の関係で、習慣や食事に制限がある生活に馴染みのない方が多くてイメージしにくいですが、配慮できるお店が増えると案内できる選択肢も広がりますね。まだまだ、今は日本における需要は確かに少ないかもしれませんが、余裕があれば準備しておきたいテーマの一つです。

日本の観光の魅力とは・・・・・?

劉:最後に、色々な国の方と接している末石さんが感じる「日本の観光の魅力」について教えてもらえますか?

末石さん:はい。私たちの日本の文化、その多くが古代中国の影響を大きく受けていますが、島国の中で独自の発展をして、中国とは異なる日本独特の文化が育まれています。それは大陸続きの国とは、やっぱり全く違っています。この文化を育んだ環境、自然 歴史・・・全てによって育まれた日本人の気質もやっぱり大陸続きの国とは、異なっています。独特なんです。

 実は、日本全体のすべてがどの国の人にとっても新鮮に映る。私は、それをすごく感じています。日本を訪れるきっかけはそれぞれだと思いますが、ガイドを通じて私が感じている日本の良さは、ネットでは決して探しきれない人のあたたかさだと思っています。

 そうやって「人のあたたかさ」に触れた観光客が日本を好きになって、また別の人に日本っていいよって伝えていく。そこに関われるのがとても嬉しく思います。

劉:色々な国からの観光客の方を案内して、それぞれの方々が感動している「日本」を知っているからこそのご意見ですね。。。。食べ物、文化、景色、モノだけでなく、ヒトも含めて全てが「新鮮に映る」そして、そこに「あたたかさ」を感じて日本を好きになっていく観光客の話。逆に、私もとても新鮮でした。

日本=ヒトを含めたこの土地に在る全て。私たちの日常が、海外からの観光客から見ると新鮮で、日本の魅力なんですね。


今回のインタビューで、ご紹介しきれないほど沢山の観光客の方とのエピソードや、海外の方から見た日本の面白さを伺いました!

『ヒト』から『ヒト』へ伝えるお仕事の素敵さ、だからこそ伝わるあたたかさ。普段、私たちがイメージしきれない角度からの日本の魅力を考えるきっかけになったのではないでしょうか?

末石さんも所属しておられる【オールスター大阪ウォーク】さんのツアーでは外国人の方をメインにされていますが、希望者がおられると日本人でもガイドはなさってくれるようです。今だからこそ、私たちが気づかない【日本の魅力】を感じに体験するのも楽しいかもしれませんね。

外国人へも日本人へも「大阪のオモロイ」を紹介されてます。

様々な国の方とか変わるからこそ、見えてくる日本。。。。「生の体験から伝わるモノに勝るものはない。」そんな事を感じたインタビューでした。

 

これからの活動にも期待しています!ありがとうございました!

 

記事を書いたのは私:
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外国人観光客研究所のサイトにお越し下さり、ありがとうございます。
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ABOUTこの記事をかいた人

劉 賞美(Liu Shangmei)

高校卒業後、北京語言文化大学へ語学留学。
2002年より中国の国営貿易商社、中国中紡集団公司(北京市)の日本法人会社にてアパレル生産管理、中国工場管理、貿易事務、社内中国語講師担当。
当時一般客へのVISAが下りにくい中、出張で来日する中国人の通訳と観光のアテンドなども行う。
退社後は、中国語の個人レッスンをベースに2010年より中国語グループレッスン、日中語学交流会を現在も主催・運営しており、パナソニックセンター大阪にて中華圏の企業、行政機関向けのB to B通訳を担当。
また、高島屋百貨店にて訪日外国人を対象とした通訳アテンド業務を経て、株式会社エースブリッジに入社。
日々、外国人観光客を集客している店舗様へ足を運び、また時に外国人観光客や、在日外国人の生の声を聴き「今求められているモノ」を発信すべく、2010年より続いている「外国人観光客研究所」の所長に2017年7月より就任。